新薬候補物質「XMT-1522」の権利
武田薬品工業株式会社は、2月4日、米国Mersana社と戦略的提携を拡大する契約を締結したと発表した。
この契約締結により武田薬品は、Mersana社が有する新薬候補物質「XMT-1522」について、米国・カナダ以外の国・地域における権利を新たに獲得する。
抗腫瘍活性を示す可能性
Mersana社は、革新的なFleximer免疫複合体技術を用いて、がん標的療法のパイプラインを独自に構築している企業。
「XMT-1522」は、同社のFleximer免疫複合体技術を基盤とした抗体薬物複合体であり、同社独自のアウリスタチン・ペイロード分子を約15個有し、HER2を標的とした新薬候補物質。前臨床データから、既存のHER2標的薬で効果がみられなかったHER2低発現の腫瘍ならびにHER2高発現の腫瘍を有する患者において、抗腫瘍活性を示す可能性が示唆されている。
「XMT-1522」の開発は、Mersana社と武田薬品が共同で実施する。製品化・販売権については、米国・カナダにおいてはMersana社が、それ以外の国・地域においては武田薬品が有すこととなった。
抗腫瘍活性を持つ化合物も共同開発
今回の提携拡大により武田薬品は、Mersana社が有するFleximer抗体薬物複合体の基盤技術へのさらなるアクセスが可能となった。またMersana社は、臨床第1相試験終了時点において対象となる新薬候補物質のうち1つを、米国において武田薬品と共同開発・販売を実施できるオプション権を獲得している。
加えて両社は、抗体薬物複合体によって送達される抗腫瘍活性を持つ化合物(ペイロード)を共同開発するとしている。

武田薬品とMersana Therapeutics社の提携拡大について - 武田薬品工業株式会社
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