シャイアー社と共同開発
塩野義製薬株式会社とアイルランドに本社を置くShire plc(シャイアー社)は、2016年1月27日、注意欠如・多動症(ADHD)治療薬S-877503の製造販売承認を申請した。
両社は2011年11月に日本における共同開発・商業化のライセンス契約を締結し、小児期の注意欠如・多動症(ADHD)治療薬としてS-877503を開発してきた。
ADHDは小児期の疾患と受けとめられていたが、近年、成人期まで症状が持続する事例のあることが知られるようになった。発症要因は不明だが、遺伝的要因・環境要因が重なるためと考えられている。小児・18歳未満の青年の推定罹患率は5%未満である。
新たな作用機序をもつ
S-877503(グアンファシン塩酸塩徐放性製剤)は、国内で上市されているADHD治療薬とは作用機序が異なる。シナプスに在る受容体を介してノルアドレナリン作動性神経を活性化するもので、前頭前皮質での後シナプス性α2A受容体の活性化作用が症状の改善につながるとされる。
国内でADHDを適応として承認されている薬剤は2剤しかなく、多様な薬剤・剤型が承認・販売されている欧米と比較して、治療の選択肢の拡大が望まれていた。

塩野義製薬株式会社、シャイアー・ジャパン株式会社 プレスリリース
http://www.shionogi.co.jp/