出生児に影響
米国のベックマン・コールター株式会社(以下、ベックマン・コールター)は、2016年1月22日、化学発光酵素免疫測定法によるサイトメガロウイルス(CMV)免疫グロブリンGとM測定用体外診断用医薬品「アクセスCMV IgG」・「アクセスCMV IgM」を発売したことを発表した。
サイトロメガウイルスの感染は通常は軽度、無症状で済むが、胎児や未熟児、免疫抑制下となる移植・AIDS・先天性免疫不全の場合は重篤になる。
妊婦が初感染すると約40%が先天性感染児として出生し、小頭症、精神遅滞、運動障害、難聴などを発症する可能性がある。感染経路には、母乳や小児の唾液・尿を介した家族内での感染の他に、輸血や性行為も挙げられる。
TORCH3項目が測定可能に
妊娠中に感染して出生児に影響を及ぼす感染症の代表的なものは、トキソプラズマ・風疹・CMVで、頭文字をとってTORCH感染症と呼ばれる。
ベックマン・コールターは、トキソプラズマと風疹のIgGおよびIgM抗体検査用試薬を販売しているが、今回、開発した「アクセスCMV IgG」・「アクセスCMV IgM」により、サイトロメガウイルスも加えたTORCH3項目の抗体検査が測定可能となった。
新製品は、TORCHの3感染症の抗体検査が自動分析機で簡単に測定でき、検査結果はIgGが35分、IgMが55分で得られる。また、血清と血漿(EDTA、ヘパリン)を使用できる。
(画像はプレスリリースより)

ベックマン・コールター株式会社 プレスリリース
http://www.beckmancoulter.co.jp/press/160122.html