有効性、安全性を化学療法と比較した第3相臨床試験で
2014年9月27日、ベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)は、不可逆的ErbB阻害剤「アファチニブ」の有効性および安全性をメトトレキサート(化学療法)と比較検討した第3相臨床試験の結果を発表した。
同試験は再発および/または転移性頭頸部扁平上皮がんの患者483名を対象に行われたもので、同剤の1日1回投与が化学療法と比べ、腫瘍増殖を有意に遅らせることが分かった。プラチナ製剤を用いた化学療法が奏効しなくなった患者にアファチニブを投与したところ、化学療法と比べ、PFSが有意に延長したという。
これにより、同剤は化学療法よりも腫瘍増殖を遅らせることのできる初めてのチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であることも証明された。
頭頸部がんの適応ではまだ未承認
アファチニブは特定のタイプのEGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がんの治療を適応として、EU、台湾、カナダなどで既に承認済みだ。日本ではEGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌が適応となっている。
非小細胞肺がん以外の適応ではいずれの国でもまだ未承認であるため、頭頸部がんが適応として承認されれば、同剤の新たな治療領域となる。

ベーリンガーインゲルハイム プレスリリース
http://www.boehringer-ingelheim.jp/news/