ボルテゾミブとデキサメタゾンにLBH589を追加投与
2014年9月19日、ノバルティスは同社が治験中の化合物LBH589(一般名:パノビノスタット乳酸塩)を追加投与することで、多発性骨髄腫患者の無増悪生存期間の中央値が統計的有意かつ臨床的に意義のある延長を示したと発表した。
今回のデータは再発・難治性の多発性骨髄腫の患者を対象としたPANORAMA-1第3相臨床試験にて得られた。同試験ではボルテゾミブとデキサメタゾンの二剤併用とLBH589を追加投与した三剤併用の治療を比較し、その効果を検証。その結果、後者のグループは前者と比較して、無増悪生存期間(PFS)の中央値が4カ月延長したという。
詳細はランセット・オンコロジー(The Lancet Oncology)に掲載されている。
汎脱アセチル化酵素阻害剤として初の再発・難治性多発性骨髄腫治療薬へ
LBH589は治験中の化合物であり、いずれの国や地域においてもまだ承認は得ていないが、承認されれば汎脱アセチル化酵素阻害剤として、初の再発・難治性多発性骨髄腫の治療薬となる。
同剤にはDNA塩基配列の変化によらない遺伝子発現の制御や細胞分化・増殖といった細胞に存在する機構(エピジェネティクス)を調節することで、多発性骨髄腫における細胞の異常な機構を修復する効果が期待されている。

ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2014/pr20141006.html