後発医薬品関連の医療事故情報は7例
2014年9月26日、日本医療機能評価機構は「医療事故情報収集等事業 第38回報告書」を公開した。2014年4月から6月までの医療事故情報等をまとめたものとなる。
これによると、後発医薬品であることを知らなかったことが原因で起こった事例が5件、薬効が違う薬剤を後発医薬品であると思い込んだため起こった事例が2件報告された。
ケースとしては「ロセフィン中止」との指示に対し、看護師が薬剤部から届いていた「セフトリアキソンナトリウム」がその後発医薬品であることを知らないまま投与したというもの。
また救急入院時に「ナオタミン」の持続点滴を実施し、その後、病棟で別の「ナファモスタットメシル酸塩製剤」が使用されたケースも。病棟看護師はこれが「ナオタミン」と同成分と気付かなかったため、点滴漏れによる皮膚の色調の変化について対応が遅れたというものであった。
(画像は日本医療機能評価機構ホームページより)
各医療機関で採用が進む後発医薬品
薬価が安価な後発医薬品は、国内の限られた医療費を効率的かつ効果的に支出することを目的に、国の政策として取り組まれている。2013年4月には「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」が示され、「後発医薬品の数量シェアを2018年3月末までに60%にする」ことが目標として掲げられてもいる。
一方で医療関係者による後発品に関する知識不足から起こる事例も報告されており、同種の医療事故発生予防への取り組みが求められているのも事実だ。

医療事故情報収集等事業第38回 報告書 公益財団法人日本医療機能評価機構
http://www.med-safe.jp/pdf/report_38.pdf