真性多血症におけるQOL改善も
ノバルティスファーマ株式会社は、2014年9月12日、「ジャカビ錠5mg」について新たに真性多血症の治療薬として効能追加の承認申請を行った。
同剤は、骨髄線維症を効能とする薬剤。真性多血症におけるQOL改善も、期待されている。
治癒が困難な血液疾患、真性多血症
真性多血症は、骨髄で血液細胞が過剰産生される、治癒が困難な血液疾患の一種。血液中における赤血球の増加を典型的な特徴とし、血液の粘度が亢進することで脳卒中や心臓発作などの重篤な心血管系の合併症を引き起こす。日本における年間発症率は、10万人あたり約2人。年間発症率および10年生存率からすると、国内の患者数は30000人程度と推測されている。
「ジャカビ」は、米国インサイト社が創製した、ヤヌスキナーゼ(JAK)と呼ばれる酵素を阻害する働きを持つJAK阻害剤。2011年に骨髄線維症を効能として希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受け、2014年7月の承認取得を経て同年9月2日に発売されている。
欧州では2014年6月に承認申請
真性多血症の患者は、JAK2のシグナル伝達経路の恒常的な活性化が見られている。「ジャカビ」はJAK1およびJAK2に高い選択性を有するため、真性多血症の病態の中心となるJAK2を介したJAK-STAT経路を阻害することで、QOL低下の主な原因である脾腫や諸症状を改善することが期待されている。
「ジャカビ」の真性多血症効能追加については、欧州では2014年6月に承認申請、米国でもインサイト社が2014年の6月に承認を申請している。

「ジャカビ錠5mg」、真性多血症の治療薬として効能追加の承認申請 - ノバルティスファーマ株式会社
http://www.novartis.co.jp/news/2014/