「転移性去勢抵抗性前立腺がん」の治療の新たな選択肢
サノフィ株式会社(以下、サノフィ)は、前立腺がん治療薬「ジェブタナ(R)点滴静注60mg」(一般名:カバジタキセル アセトン付加物、以下、「ジェブタナ(R)」)を発売することを発表した。
(画像はプレスリリースより)
「ジェブタナ(R)」
「ジェブタナ(R)」は細胞内の微小管に作用し、細胞増殖を阻害する抗がん剤。有効な治療法が限定されたドセタキセル治療後の前立腺がん患者に対して、「ジェブタナ(R)」は、全生存期間の延長を示した数少ない薬剤の一つ。
「ジェブタナ(R)」は、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高い薬剤と評価され、2012年4月に厚生労働省より開発要請を受けている。その後、海外および国内で実施した試験結果等により、2013年7月承認申請を行い、優先審査品目として審査された。
同剤は海外で実施した第3相試験において、全生存期間の有意な延長が確認された。この試験は、過去にホルモン療法歴があり、かつ、ドセタキセルを含む化学療法を受けたにもかかわらず症状が進行した転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象としたもの。
「ジェブタナ(R)」は、2010年6月に米国でドセタキセルによる化学療法施行歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として、初めて承認され、2014年1月現在、海外では、「JEVTANA(R)」のブランド名で、85の国または地域で承認されている。
前立腺がん
前立腺がんは男性ホルモンの影響を受けて進行するため、転移が認められた前立腺がんでは多くの場合、標準的な治療法として、まず男性ホルモンの分泌や働きを抑えるホルモン療法が行われる。
だが、治療により男性ホルモンの分泌が抑制されているにもかかわらず病勢が進行する状態がしばしば確認され、これを「去勢抵抗性前立腺がん」と呼んでいる。
現在、「去勢抵抗性前立腺がん」に対する標準治療として、生存期間の延長とQOLの改善を示したドセタキセルによる化学療法が広く用いられている。
しかし、ドセタキセルの投与を受けたにもかかわらず、症状が進行した患者に対しては、生存期間の延長に貢献できる治療法は限定されている。「ジェブタナ(R)」は、このアンメットメディカルニーズに応える新たな治療選択肢となるであろう。

サノフィ株式会社 ニュースリリース
http://www.sanofi.co.jp/l/jp/ja/index.jsp