新規注射用セファロスポリン系抗菌薬
2014年9月9日、塩野義製薬株式会社は同社が創製した新規注射用シデロフォアセファロスポリン系抗菌薬 S-649266が、非臨床試験および第1相臨床試験において良好な成績をおさめたことを米国で発表した。
発表は第54回 Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy (ICAAC)にて行われ、その内容は米国疾病予防センターが緊急かつ重大な懸念と認定しているグラム陰性菌に対し、S-649266が効果を示したというものであった。これらの病原菌に対してS-649266が新たな治療選択肢となることが期待される。
S-649266はシデロフォアと呼ばれる構造を有しており、標的となる細菌が鉄を菌体内に取り込む際、同時に取り込まれることが可能だ。そのことで、細菌の細胞壁合成を阻害できるようになる。
大きな問題となっている細菌の耐性化
世界保健機構(WHO)によれば、既存の抗菌薬が効果を示さない病原菌は年々増加しているという。米国疾病予防センターによれば、米国では毎年薬剤耐性菌に200万人以上が感染し、そのうち約2万3000人が死亡しているとされる。
このことから、新しい抗菌薬、特に新しい作用機序を有する薬剤の登場が待たれている。同剤は第2相臨床試験の投薬が今秋より開始される予定。

塩野義製薬株式会社 プレスリリース
http://www.shionogi.co.jp/company/news/2014/