男性にとって「夢の薬」
勃起不全(ED)治療薬として米企業のファイザーが特許を取り、1998年1月にアメリカで発売されたバイアグラは、男性にとっての「夢の薬」として瞬く間に世界に広まった。政治的に対立していても、こればかりは別と、渇望の声が多かったのか、中国でも今になって生産が始まることになった。
ファイザーが持つクエン酸シルデナフィル(商品名バイアグラ)の特許が5月に期限を迎えたのを機に、中国国内企業によるバイアグラ生産を、国家食品薬品監督管理総局が初認可したと、中国メディア・広州日報が報じた。
狭心症の治療薬のはずが
バイアグラの誕生は偶然からだった。元々、ファイザーはシルデナフィルを用いて、狭心症の治療薬開発を進めていたが、有効性が薄いため試験中止を決め、治験者から薬剤の回収を図ったが、返却をしたがらない人が多かったのだという。
理由を調査すると、勃起を補助する作用があるためだと判明。シルデナフィルに勃起不全を改善する効果があることが分かり、人類史上初のED治療薬が誕生した。
広州日報の記事によると、複数企業がクエン酸シルデナフィルの生産許可申請を出す中、広薬白雲山が、同局からクエン酸シルデナフィルおよびクエン酸シルデナフィルタブレットの生産認可文書を受けたとしている。商品名は「金戈」として申請していた。
株価が急上昇
原料、製剤両方の生産認可を受けたことで、中国企業製のクエン酸シルデナフィル製剤が初めて中国市場に登場する。広薬白雲山は、生産認可申請競争の中で常にリードしていたというから、同社が認可を一番に受けたのも既定路線といえる。
広薬白雲山の親会社に当たる「広州薬業グループ」は、中国医薬工業トップ企業100の1位を3年連続で獲得している大手。「金戈」の生産が認められたことで、広薬白雲山の株価は急上昇したという。
日本においてはアメリカでの発売当初、個人輸入業者を介してバイアグラを入手し、併用禁忌や使用上の注意点などの説明を受けずに服用し、重篤な副作用で心肺停止に至る事例も発生した。
このため、日本も早急にバイアグラの製造販売を承認。申請からわずか半年間という異例のスピードで認可され、アメリカでの発売から1年2か月後の1999年3月23日、販売が開始された。

広州日報
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