世界中で使用されているホルモン依存性疾患の治療薬
武田薬品工業株式会社は、前立腺がん・閉経前乳がん治療薬「リュープリン」の6ヶ月製剤について、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。
同剤は世界中で使用されているホルモン依存性疾患の治療薬であり、1ヶ月製剤ならびに3ヶ月製剤は日本でも承認されている。6ヶ月製剤の申請は、閉経前乳がん治療薬としては世界初だという。
1回の投与で長期間にわたる血中濃度維持を可能に
「リュープリン」は、武田薬品が創製したLH-RHアゴニスト注射用製剤。脳下垂体に持続的に作用し、脳下垂体の反応性を低下させることで、性ホルモンの産生を抑制する。前立腺がんや閉経前乳がんなど、ホルモン依存性疾患の治療薬として世界中で使用されている。
同剤は、米国における最初の承認時には、1日1回投与だった。しかし同社は製剤技術のイノベーションを重ね、独自のマイクロカプセル製剤技術により同剤を徐放性製剤として開発。1回の投与で、長期間にわたる安定した血中濃度維持を可能にした。
日本では現在、同剤の1ヶ月製剤ならびに3ヶ月製剤が承認されており、さらなる技術革新を加えた6ヶ月製剤は、24週に1回の投与による治療を可能にした。前立腺がんの適用で、米国・欧州・アジアの一部の地域で既に販売されている。
患者のQOL向上に貢献することを期待
今回の申請は、同社が日本において実施した二つの多施設共同・無作為化・非盲検臨床第3相比較試験の結果に基づいている。なお、閉経前乳がん治療薬としては、世界初の6ヶ月製剤の申請となるという。
同社は同剤が、前立腺がんおよび閉経前乳がん患者のQOL向上に貢献するとともに、医療関係者のニーズに応えることを期待している。

前立腺がん・閉経前乳がん治療薬「リュープリン」6ヶ月製剤の日本における製造販売承認申請について - プレスリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2014/