世界で初めてPD-1を標的とした治療薬
小野薬品工業株式会社は、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体「オプジーボ点滴静注20mg、100mg(以下、オプジーボ)」を発売したと発表した。
同剤は、PD-1を標的とする治療薬としては、世界で初めての薬剤。2014年7月4日、根治切除不能な悪性黒色腫を効能・効果として製造販売承認を取得していた。
(画像はプレスリリースより)
がん細胞を排除する免疫反応を亢進
悪性黒色腫は、皮膚の色素を産生する細胞が悪性化した腫瘍と考えられている。現在の日本国内において、外科手術により切除不能な悪性黒色腫の患者の予後は、極めて悪いと言わざるを得ない。予後を有意に改善しうる薬物療法が存在しないことから、新たな治療薬の上市が期待されていた。
「オプジーボ」は、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体。PD-1は、リンパ球の表面にある受容体の一種であり、生体において活性化したリンパ球を抑制するシステムに関与しているが、このシステムはがん細胞が利用して免疫反応から逃れているという報告もある。同剤は、PD-1の働きを抑制することで、がん細胞を異物と認識してこれを排除する免疫反応を亢進する。
臨床データを収集、適正使用に必要な措置
「オプジーボ」は、PD-1を標的とする治療薬としては、世界で初めての薬剤であり、その有効性が期待されている。
小野薬品は、同剤のより安全かつ有効な使用のため、一層の臨床データの蓄積が重要であると考えている。同剤の製造販売承認後、使用成績の全例調査を実施し、臨床データを収集するとともに、適正使用に必要な措置を講じるとしている。

ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体「オプジーボ点滴静注20mg、100mg」新発売 - プレスリリース
http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n14_0902.pdf