選択的第Xa因子阻害剤「エリキュース」
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とファイザー社は、米国食品医薬品局(FDA)が選択的第Xa因子阻害剤「エリキュース」の適応追加申請を承認したと発表した。
この承認は、深部静脈血栓症(DVT)と肺塞栓症(PE)の治療、ならびに治療後のDVTとPEの再発抑制を適応としたもの。
米国では、毎年約90万人がDVTおよびPEに罹患
DVTは、下肢・大腿部・骨盤などの静脈で血栓が形成され、血流を完全あるいは部分的に閉塞する状態を指す。PEは、肺の1つ以上の血管が、血栓により閉塞する状態を指す。DVTは、痛み・腫れ・赤みなど複数の症状を引き起こし、さらには突然死のリスクを持つPEへ進行する恐れがある。
DVTとPEは、合わせて静脈血栓塞栓症(VTE)と呼ばれる。米国では、毎年約90万人がDVTおよびPEに罹患していると推定されている。
「エリキュース」は、選択的第Xa因子阻害剤の経口薬。主要な血液凝固タンパク質である第Xa因子を阻害することにより、トロンビンの生成と血栓の形成を抑制する。同剤は、7件の第3相臨床試験の結果を含む有効性および安全性データに基づき、米国において複数の適応症で承認されている。
経口薬であるため、定期的な凝固検査が不要
今回の承認により、「エリキュース」はDVTおよびPEの効果的な治療法として使用できるようになった。同剤は経口薬であるため、定期的な凝固検査が不要。投与開始時に抗凝固薬の非経口投与やブリッジングを行う必要もない。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とファイザー社は、患者と医師への重要な治療法の提供に、今後も提携して取り組むとしている。

米国食品医薬品局(FDA)、深部静脈血栓症(DVTを適応としてエリキュース (一般名:アピキサバン)を承認 - プレスリリース
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/