再発の多発性骨髄腫患者が対象
2014年8月11日、小野薬品工業株式会社はAmgen(以下、アムジェン社)らが、8月4日にプロテアソーム阻害剤カルフィルゾミブ(ONO-7057)の第3相臨床試験の中間解析において無増悪生存期間の優越性が示されたと公表したことを明らかにした。同社はカルフィルゾミブにおいて、国内で全がん腫を対象として独占的に開発・商業化する権利を取得している。
中間解析の結果によると、カルフィルゾミブ(米国での製品名:Kyprolis)の静脈注射治療をRevlimid(lenalidomide)および低用量 dexamethasoneの併用療法として受けた患者群は、静脈注射治療を併用しなかった患者群に対し、主要評価項目である無増悪生存期間の中央値が有意に延長した。前者の中央値は26.3ヶ月であり、後者のそれは17.6ヶ月であった。
副次評価項目である全生存期間のデータに関しては、統計学的有意差は達成されなかったものの、前者に優位な傾向が見られているという。
これらの結果は今年末に開催予定の第56回米国血液学会で発表される予定となっている。
(画像は小野薬品工業株式会社ホームページより)
国内でも臨床試験を実施中
同社は2010年9月に締結したライセンス契約に基づき、多発性骨髄腫患者を対象とした臨床試験を実施中だ。
同剤は米国では2012年に既存治療が無効だった多発性骨髄腫患者の治療を適応として迅速承認を取得しているが、無増悪生存期間もしくは全生存期間の改善については未承認となっている。

プロテアソーム阻害剤カルフィルゾミブ(ONO-7057)について
http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n14_0811.pdf