4-メチルオキサゾリンを含む非リボソームペプチド
2014年8月8日、東京大学大学院農学生命科学研究科のアデリン ムリアンディ氏らは、4-メチルオキサゾリンという珍しい環構造を含む非リボソームペプチド(JBIR-34, 35)の生合成遺伝子群を同定し、生合成経路を明らかにしたと発表した。同研究成果は7月17日、「Chemistry and Biology」オンライン版に掲載されている。
この研究により、4-メチルオキサゾリンがアルファメチル-L-セリン由来であることと、アルファメチル-L-セリンがD-アラニンから合成されることが分かった。これにより、4-メチルオキサゾリン環を有する新しい非リボソームペプチドをゲノムマイニングにより見出せるようになった。
(画像はホームページより)
遺伝子工学的手法により進む研究
抗生物質、抗がん剤、免疫抑制剤などの多くの薬が含まれる低分子化合物の発見のため、近年、多種多様な化合物を生産する能力に長けた放線菌に注目が集まっている。
放線菌が作り出す多様な化合物の中で、一大グループを形成する非リボソームペプチドについては、遺伝子工学的手法によって、さまざまな非天然型のものを合成する研究が世界中で行われている。
同研究成果は本手法によって生産することのできるペプチドのレパートリーの拡張に役立つものだ。

ユニークな化学構造をもった天然化合物を作る仕組み 4-メチルオキサゾリンを含むペプチド化合物の生合成機構の解明
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2014/20140808-1.htmlBiosynthesis of the 4-Methyloxazoline-Containing Nonribosomal Peptides, JBIR-34 and -35, in Streptomyces sp. Sp080513GE-23
http://www.cell.com/chemistry-biology/