直ちに製品を本格展開する計画
バイエル ヘルスケア社は、アフリベルセプト硝子体内注射液「アイリーア」が糖尿病黄斑浮腫(DME)による視力障害の治療薬として、欧州委員会より承認を取得したことを発表した。
バイエルは、欧州における最初の発売国の1つであるドイツにおいて、直ちに製品を本格展開する計画だという。
さらなる増加が懸念されるDME
DMEおよび糖尿病網膜症(DR)は、糖尿病の患者によくみられる細小血管合併症。黄斑部中心窩は、鮮明な中心視力に関与する網膜の光感知部位であり、そこに血漿成分が漏出するとDMEが発生する。
DMEによる視力障害は糖尿病患者の3~4で発現すると推定され、多くの先進国では若年層および中年層の成人における失明の原因として、最も高い割合を占める。糖尿病の発症の増加と共に、DMEの影響を受ける患者数のさらなる増加が懸念されている。
患者にとって大きな朗報
「アイリーア」は、ヒトVEGF受容体1と受容体2の細胞外ドメインの一部を、ヒトIgG1のFcドメインと融合させた、遺伝子組み換え融合タンパク質。滲出型加齢黄斑変性(wet AMD)および網膜中心静脈閉塞症(CRVO)に伴う黄斑浮腫の適応で、世界各国で承認を取得。またDMEの治療薬として、日本を含むアジア・太平洋地域、ラテンアメリカにおいても承認申請が行われている。
同社は今回の承認が、患者にとって大きな朗報であるとしている。

バイエルのアイリーア、糖尿病黄斑浮腫の治療薬としてEUにおいて承認を取得 - プレスリリース
http://byl.bayer.co.jp/html/press_release