成人X染色体遺伝性低リン血症性くる病・骨軟化症患者を対象に
協和発酵キリン株式会社(以下、協和発酵キリン)は、現在開発中の抗線維芽細胞増殖因子23(FGF23)完全ヒト抗体KRN23の成人X染色体遺伝性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH)を対象とした第1相試験を日本と韓国共同治験として開始した。
KRN23
KRN23は、協和発酵キリンが創製した抗FGF23完全ヒトモノクローナル抗体。FGF23は、主に骨組織でつくられる251アミノ酸からなるポリペプチドで、近年、低リン血症性くる病、腫瘍性骨軟化症、腎不全等の疾患におけるFGF23の関与が考えられている。
XLHで過剰につくられているFGF23に結合し、その作用を抑制することによって、尿細管でのリンの再吸収を増加させ、血中リン濃度を増加させる作用がある。
第1相臨床試験概要
この試験は、KRN23を単回で皮下投与した際の安全性と忍容性に関する検討を主たる目的とし、投与量を増やしながら再度同じ評価を行うもので、15例の症例を目標とする。
なお、すでに海外で行われた成人XLHを対象とした第1相単回投与試験、第1/2相反復投与用量漸増試験・継続投与試験が実施されており、その結果は、複数の学会で発表されている。
また、欧米では、5歳から12歳の小児を対象に、有効性及び安全性を主要評価項目とした欧米共同第2相試験も開始している。

協和発酵キリン株式会社 ニュースリリース
http://www.kyowa-kirin.co.jp/news_releases/2014/