東北大による研究成果発表
東北大学大学院医学系研究科の教授らからなる研究グループは、がん細胞だけを攻撃することのできる抗体の作製技術を開発したと、2014年8月1日に発表しました。
今回の研究成果の具体的内容とは
今回発表された研究成果によれば、がん細胞にはムチン型糖たんぱく質ポドプラニンと呼ばれるものが多く発現しており、これががんの悪性化に関わっています。しかし、ポドプラニンそのものは、肺胞上皮細胞や皮膚基底細胞、リンパ管内皮細胞など正常な細胞の上にも存在していたため、ポドプラニンを標的とした抗体医薬品の開発は困難とされてきました。
研究グループでは、正常な細胞とがん細胞の両者に存在する糖蛋白質に着目。蛋白質に付加されている糖鎖の種類の違いなどを発見し、この違いを見分ける抗体を作製する技術を開発して、CasMab法と命名したのです。これにより、副作用の懸念のない抗体医薬を作製することが期待されます。
なお今回の研究の一部は、文部科学省創薬等支援技術基盤プラットフォーム、文部科学省科学研究費補助金などによってサポートされ、今回の研究結果については英科学誌Scientific Reportsに掲載される予定です。

東北大学 プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/