3つの治験薬に関する臨床試験で提携
2014年7月30日、アストラゼネカ株式会社は協和発酵キリン株式会社とがん免疫療法における開発提携契約を締結したと発表した。
これにより、両社は複数の固形がんを対象に3つの治験薬(MEDI4736、tremelimumabおよびモガムリズマブ)に関する第1/1b相抗がん剤試験を実施する。実施自体は協和発酵キリンが行い、その費用は両社で均等に負担するという。
これらの治験薬は免疫療法として知られる新しいクラスのがん治療薬だ。同試験ではMEDI4736とモガムリズマブの併用療法、tremelimumabとモガムリズマブの併用療法における有効性と安全性、さらに両併用療法の推奨用量レジメンが検証される。
(画像はアストラゼネカ株式会社ホームページより)
自己免疫システムを利用した抗がん効果
「MEDI4736」はアストラゼネカの抗PD-L1(プログラム細胞死リガンド1)抗体製剤。PD-L1のシグナルを阻害することでがんの免疫回復に対処する。
「Tremelimumab」も同じくアストラゼネカが開発中の抗CTLA-4抗体製剤であり、CTLA-4を阻害することで免疫反応を強化し、中皮腫を治療する効果が期待されている。
「モガムリズマブ」は協和発酵キリンが開発した抗CCケモカイン受容体4ヒト化モノクローナル抗体で、国内では「ポテリジオ点滴静注20mg」という製品名で既に販売されている。適応は再発又は難治性のCCR4陽性の成人T細胞性白血病リンパ腫(ATL)。再発又は難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)および皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)についても2014年3月に適応追加承認を取得している。

アストラゼネカと協和発酵キリン がん免疫療法における開発提携契約を締結
http://www.astrazeneca.co.jp/media/pressrelease/