最も重要なパイプライン
ナノキャリア株式会社は、最も重要なパイプラインとして位置づけているNC-6004ナノプラチン(R)(一般名:シスプラチンミセル)がオーストラリアにおいて、特許査定を受けたと発表した。これによって、米国、欧州、台湾に続き、オーストラリアでも特許権を確保することができることとなる。
この特許はNC-6004とゲムシタビンの相乗的な抗がん効果を対象としたもので、現在、自社開発およびOrient Europharmaとの共同開発によるグローバルな開発を進めている臨床試験の基礎となる重要な特許の一つだ。
ゲムシタビンは膵臓がんの標準的な治療薬で、シスプラチンとゲムシタビンの併用が非小細胞肺がんの標準治療となっている。シスプラチンは高い抗腫瘍効果を持つ反面、激しい副作用がある。
そのため、シスプラチンをミセル化したNC-6004をシスプラチンに置換することで、シスプラチンによる激しい副作用を弱めるだけではなく、ゲムシタビン独自の抗がん効果をさらに高めることが、期待されている。
現在3つのがんに対し試験中
現在、NC-6004とゲムシタビンを併用する療法が、アジア地域では膵がんを対象にフェーズ3試験、米国では、肺がんを対象にフェーズ1b/2試験、国内では固形がんを対象にフェーズ1試験を進めているところだ。

ナノキャリア株式会社 ニュースリリース
http://pdf.irpocket.com/C4571/h8MH/BnW8/CMYN.pdf