骨髄線維症に対する治療薬
ノバルティスファーマは、骨髄線維症の治療薬であるジャカビ(R)錠5mgの製造販売承認を取得しました。この治療薬の一般名はルキソリチニブとなります。
骨髄線維症は、造血細胞としての役割を担っている骨髄が線維化することによって、血液が正常に作られることが妨げられる進行性の血液がんです。この病気にかかっている人は日本全国でおよそ1500人と推測され、厚生労働省ではこの希少疾患を難治性疾患克服研究事業の対象疾患として指定しています。
骨髄線維症に罹患した患者は倦怠感・寝汗・痒み・体重減少の他、脾種などに伴う腹部の痛みや不快感といった様々な症状が現れます。国内での5年生存率は4割を切り、生存期間の中央値は3.4年となっています。
骨髄線維症に関しては、この病気の合併症に対する対処療法としての薬物治療が行われていますが、効果は限定的で、唯一造血幹細胞移植によって治癒する可能性がありますが、移植に伴う合併症などのリスク、ドナーの問題などがあり、実際に行われる可能性は小さいといわざるを得ません。
今回の治療薬の特徴
以上の状況から、骨髄線維症の治療の選択肢を広げるため、同社では開発を進め製造販売承認に至りました。本治療薬には、ヤヌスキナーゼと呼ばれる酵素を阻害する働きがあり、このことで脾種の縮小やサイトカインが産生されることを抑えるなど、この病気の患者の生活の質(QOL)の低下を抑えることが期待されています。

ノバルティス ファーマ プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/