侵襲性アスペルギルス症及びムーコル症に対して
アステラス製薬株式会社(以下、アステラス製薬)は、スイスのバシリア社と共同で開発中のアゾール系抗真菌剤イサブコナゾールについて、アステラス製薬の米国子会社であるアステラスファーマUS, Inc.が、「侵襲性アスペルギルス症及びムーコル症」の効能・効果で米国食品医薬品局(FDA)に販売許可申請を提出した。
イサブコナゾール
イサブコナゾールは、生命を脅かす重度の侵襲性の真菌感染症に対して広域スペクトラムを持つ抗真菌剤であり、注射剤と経口剤(1日1回)の剤形を開発中だ。
イサブコナゾールは、侵襲性アスペルギルス症及びムーコル症の適応症に関し、FDAからQualified Infectious Disease Product(QIDP)指定を受けており、米国ではこの指定を受けたことで、優先審査と5年間の独占販売期間の延長が認められる。さらに、それぞれの適応症に関し、希少疾病用医薬品としての指定も受けている。
白血病治療のために高用量の化学療法や造血幹細胞移植を受ける患者など免疫不全患者の増加に伴い、重篤な真菌感染症は増加傾向である現状において、アステラス製薬は、現在米国においてマイカミンなどの抗真菌剤を販売している。
今後、イサブコナゾールが新しく追加されることで、重篤な真菌感染症の治療における新たな選択肢を提供できることを期待しているという。
侵襲性アスペルギルス症
侵襲性アスペルギルス症は、免疫機能が低下している患者さんに見られる最も一般的な糸状菌感染症。
通常、侵襲性アスペルギルス症は、重度の肺感染症として発症し、多くの場合、胸痛、発熱、咳、呼吸困難を伴う。感染が全身に拡大すると、脳を含むさまざまな器官にまで及ぶこともあり、生命を脅かすこともある。
ムーコル症
ムーコル菌が原因となって、免疫が著しく低回指定場合に発症する。早期に診断されない場合は急速に病状が進行し、一般に予後は不良。

アステラス製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/post-214.html