第III相試験の結果に基づいた決定
2014年6月19日、武田薬品工業株式会社は、同社が開発中の前立腺がん治療薬TAK-700(一般名orteronel)に関して、日本、米国、欧州での開発を中止することを決定したと発表した。
この決定は、2014年5月に発表された、前立腺がん患者を対象とした2つの第III相試験の結果に基づくもの。
全生存期間が改善されず
国際共同第III相試験ELM-PC4では、化学療法を受けていない転移性・去勢抵抗性前立腺がん患者を、プレドニゾンとorteronel併用群およびプレドニゾンとプラセボ併用群に割り付けて比較した。2つの主要評価項目のうち、画像上での無増悪生存期間は有意に延長したが、前生存期間は改善されなかった。また化学療法実施中あるいは実施後の転移性・去勢抵抗性前立腺がん患者を対象としたELM-PC5でも、同様の結果が示された。
これらの結果を精査し、また他に前立腺がんに対する治療選択肢が存在することから、同社はorteronelの開発を自主的に中止することとした。
同社は、治験担当医師および規制当局と連携し、orteronelの治験参加者が適切な治療に移行できるようにコミュニケーションを図るとしている。

前立腺がん治療薬TAK-700(一般名:orteronel)の日本、米国、欧州における開発中止について(武田薬品工業株式会社)
http://www.takeda.co.jp/news/2014/20140619_6614.html