1%の確率で感染症発生
膝、股関節といった部位の人工関節置換手術で、主に接着剤として使用される骨セメント。同置換手術では1%程度の確率で感染症が発生する。
(画像はプレスリリースより)
これを予防するため、バイオメット・ジャパン(本社・東京、松本政浩代表取締役)が抗菌薬「ゲンタマイシン」を混ぜた「Cobalt G-HV ボーンセメント」を発売した。
視認性に優れ、操作性の良さで整形外科医から高く評価されている「Cobalt HV ボーンセメント」に、ゲンタマイシンを含有させたもの。 骨セメントの強度も従来の「Cobalt HV ボーンセメント」とほぼ同等だ。
国内で年間約12万8000人が手術
海外では抗菌薬入りセメントが広く使われているが、国内では医療現場で抗菌剤を混ぜることがあった。抗菌剤が入った骨セメントは国内で初。5月から販売が始まった。
菌は金属など異物表面につきやすい。体内では、こうした異物にバイオフィルムを形成して固着するため、抗菌薬や免疫への抵抗性が強く、全身投与の抗菌薬では効果が期待できない。
日本ではこれまで、感染予防のため医療現場で抗菌薬を混ぜていたが、混合時の気泡混入で強度が低下するほか、抗菌薬を均一に混合するのは難しく、手術スタッフの作業負担も増えていた。
平成24年のデータによると、日本では年間約12万8000人に人工関節置換術が行われており、高齢化の進展に伴って増加傾向となっている。
バイオメット・ジャパンは、米国インディアナ州が本社のバイオメット社日本法人として、2001年に設立された。バイオメット社は1977年設立。主に筋骨格の医療専門家向け外科治療、非侵襲治療材料を取り扱い、世界約90か国に製品を供給している。

バイオメット・ジャパン プレスリリース
https://www.biomet.co.jp/press-release/