アスピリン服用例では消化性潰瘍が問題に
2014年6月12日、武田薬品工業株式会社は、消化性潰瘍治療剤ランソプラゾール(商品名タケプロン)と低用量アスピリンの配合剤「タケルダ配合錠」を発売したと発表した。
脳梗塞や心筋梗塞を起こした患者では、再発予防のための治療が必要となる。通常は抗凝固薬が必要とされるが、出血などの副作用の危険性から、高齢者などでは低用量アスピリンが選択される場合もある。
社会の高齢化が進む日本では、脳梗塞・心筋梗塞の予防のために低用量アスピリンを服用する患者が増加しているが、長期投与により胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発症することがあり、その対策が急がれる。とくに胃潰瘍や十二指腸潰瘍の既往例では、プロトンポンプ阻害薬を併用投与することが、国内外の診療ガイドラインで推奨されている。
薬剤数の抑制に貢献
タケルダは低用量アスピリンとプロトンポンプ阻害薬を配合した日本初の薬剤で、1錠剤中にアスピリン100mgとランソプラゾール15mgを含有する。脳梗塞・虚血性心疾患患者の半数以上が5種類以上の薬剤を服用しているとされており、タケルダに変更することで薬剤数を減少することが可能となる。また、低用量アスピリンの服用患者で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の既往がある症例では、服用剤数を増加することなく潰瘍発生を抑制できることが期待される。
タケルダ配合錠の概要は下記のとおり。
製品名:タケルダ配合錠
一般名:アスピリン/ランソプラゾール
用法・用量:通常、成人には1日1回1錠(アスピリン/ランソプラゾールとして100mg/15mg)を経口投与する。
効能・効果:下記疾患または術後における血栓・塞栓形成の抑制(胃潰瘍または十二指腸潰瘍の既往がある患者に限る)
・ 狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)、心筋梗塞、虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)
・ 冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮的冠動脈形成術(PTCA)施行後
薬 価:89.3円
(プレスリリースより引用)

消化性潰瘍治療剤ランソプラゾールと低用量アスピリンの配合剤「タケルダ配合錠」の日本における発売について(武田薬品工業株式会社)
http://www.takeda.co.jp/news/files/20140612_jp.pdf