ClioとMuse細胞に対しての共同研究
株式会社免疫生物研究所(以下、免疫生物研究所)は、Muse細胞を利用した再生医療の実現を目指しているバイオベンチャーの株式会社Clioと資本提携も視野に入れた共同研究契約を締結した。
Muse細胞
Muse細胞は、東北大学大学院医学研究科の出澤真理教授のグループが発見した間葉系組織に存在する多様性幹細胞であり、間葉系マーカーCD105とヒトES細胞マーカーSSEA-3の二重陽性細胞として骨髄・脂肪・皮膚などの組織や間葉系培養細胞から分離が可能。
脳や神経、皮膚などの外胚葉、筋や骨、軟骨などの中胚葉、肝臓や膵臓などの内胚葉の三細胞すべてに分化する能力があり、損傷部位に集積・正着した結果、組織特異的な細胞に分化するために、損傷を受けた組織構造や機能を修復する。
よって、細胞の分離化・製剤化する過程において、分化誘導操作や遺伝子導入を必要とせず、腫瘍化の危険性がほとんどないと考えられている。
また、すでに骨髄移植療法や間葉系幹細胞による組織再生療法においても、含有率は低いがMuse細胞が含まれた製剤が使用されているため、その安全性がある程度実証されているといえる。
そのため、Muse細胞を主成分とした細胞性医薬品を利用した再生医療は大きな前進であり、治療効果と安全性の高い幹細胞治療の早期実現に貢献できると期待できると考えられている。
ノウハウを活用し、細胞性医薬品の早期実現へ
免疫生物研究所は、長年培ってきた抗体政策や細胞培養に関するノウハウと技術を最大限に活用したMuse細胞の分離・精製などに関する技術開発で、Muse細胞を主成分とした次世代医薬品と期待される細胞性医薬品の開発、製造、臨床応用の早期実現に貢献したいという。

株式会社免疫生物研究所ニュースリリース
http://www.ibl-japan.co.jp/news_img/20140602_Clio%20Muse.pdf