身体の小さな患者さんのQOL向上に
テルモ・クリニカルサプライ株式会社は、抗がん剤の持続的投与や中心静脈栄養に用いられる植込み型薬液注入システム「DewX」(デュークス)Sタイプを発売した。
この製品は、昨年12月に発売した前胸部用のMタイプの品揃えとして、上腕・前腕部用のSタイプを加えるべく発売される。ポートを小型化したことで、身体の小さな患者さんのQOL向上につながるという。
医療事故や合併症リスクの低減を目指し
植込み型のポートは、皮下にポートを植込むことによって、血管へ毎回直接針を刺すことなく、薬液を投与することが可能だ。また、痛みや血管の損傷の軽減が期待できる。このようなメリットを持つため、がん治療における外来化学療法や在宅での中心静脈栄養が普及した近年、植込み型のポートは使用機会が増加している。
しかしその一方で、植込み時の誤穿刺・カテーテルの閉塞・感染などのトラブルも増加。より安全なシステムへのニーズも、高まってきている。「DewX」は、安全な医療を提供するというコンセプトのもと、植込み時や管理時に発生する医療事故や合併症のリスクを低減することを目指し、設計された。
腕・前腕部に留置しても目立たない
「DewX」Sタイプの特長としては、ポートを小型化したことで上腕・前腕部に留置しても目立たなくなり、身体の小さい女性や小児の患者のQOLに合わせた植込みが可能となった。
また、超音波ガイド下でも針先が見えやすい超音波対応穿刺針を採用し、誤穿刺のリスクを低減。さらに、空気の引き込みを防止する弁付シースを採用して、空気塞栓のリスクを低減している。
同社は、テルモ株式会社100%出資の子会社。2014年度にシリーズで1.3億円の売り上げを目指すという。

皮下植え込み型薬液注入システム「DewX」に小児患者さんなどのQOLに貢献するSタイプを追加発売 - プレスリリース
http://www.terumo.co.jp/pressrelease1