爪白癬治療剤「エフィナコナゾール」
科研製薬株式会社は、同社が創製したエフィナコナゾールの導出先であるValeant Pharmaceuticals International, Inc.(バリアント社)が、爪白癬治療剤について米国で承認を取得したと発表した。
バリアント社は、カナダ・ケベック州の企業。米国食品医薬品局(FDA)に対して、爪白癬治療剤「エフィナコナゾール」の承認を申請していた。
爪における全ての異常の約半分を占める爪白癬
爪白癬は、爪および爪床を侵す真菌感染症。爪における全ての異常の約半分を占めると言われるほど頻繁に発生する病気であり、その有病率は成人人口の約6~8%にまで達するとされる。治療せずに放置した場合、爪が肥厚し、局所での圧痛を引き起こすケースもある。
外用の爪白癬治療剤「KP-103」として、日本国内において製造販売承認が申請中であるエフィナコナゾールは、科研製薬が創製した新規のトリアゾール系化合物。トリアゾール系化合物は、既存治療薬と比較して血清及び角質存在下での活性低下が少ない。このことから、角質の厚い部位や爪内等でも優れた活性を示すものと期待されている。
科研製薬がアメリカにおける製剤を供給
科研製薬は、欧米におけるエフィナコナゾールの開発・販売に関して、2006年にDow Pharmaceuticals Sciences, Inc.とライセンス契約を締結。2008年にはバリアント社がDow Pharmaceuticals Sciences, Inc.を買収、バリアント社が引き続き開発を進めていた。
なお科研製薬とバリアント社は、科研製薬がアメリカにおける製剤を供給することで合意したことも、承認取得と共に発表されている。

カナダのバリアント社、爪白癬治療剤について米国で承認を取得 - プレスリリース
http://www.kaken.co.jp/nr/release/nr20140610.html