実際の服用患者が対象
2014年6月2日、ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社は、ドイツのグループ会社・ベーリンガーインゲルハイム社が、経口抗凝固剤プラザキサの服用患者を対象とした、抗凝固中和剤idarucizumabの臨床試験を実施することを明らかにした。
プラザキサ(一般名ダビガトラン)は、新規経口抗凝固剤のひとつで、急性・慢性の血栓塞栓症の予防および治療に用いられる。長年にわたり血栓塞栓症の治療にはビタミンK拮抗薬が使われてきたが、定期的なモニタリングや他の薬剤との相互作用、食事制限などの問題があった。本剤は血液凝固因子のひとつであるトロンビンを直接阻害することで抗血栓作用を発揮するため、こうした問題が回避できるとされている。
35ヵ国以上の救急医療機関が参加
一方、プラザキサには中和剤が存在せず、使用中の大出血に対する対処の難しさが指摘されていた。ベーリンガーインゲルハイム社は、こうした問題に対応するため、本剤の抗凝固作用を速やかに中和させる特異的中和剤の開発を進めている。これまでの健康成人145例を対象とした臨床試験において、idarucizumabの有効性と忍容性が示されたため、実際のプラザキサ服用患者を対象とした第II相試験を開始する。
この試験には、35ヵ国以上の救急医療機関が参加予定。すでに欧州では試験実施施設が登録されており、他の地域でも今後1年間で登録を進めるとしている。

プラザキサの抗凝固作用に対する中和剤の臨床開発が次の段階へ(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社)
http://www.boehringer-ingelheim.jp/login_pages/news-login1.html