有効性と安全性を評価するために
べーリンガーインゲルハイムは、5月7日、フランス・ニースで開催された欧州脳卒中会議(European Stroke Conference)において、約6,000人を対象とする、新規のRE-SPECT ESUS(TM)試験の詳細を発表した。
この試験は、塞栓源が特定できない塞栓性脳卒中(ESUS)を発症した患者集団を対象に、脳卒中再発予防に対するプラザキサ(R)(ダビガトランエテキシラート)の有効性と安全性を評価するためのものだ。
脳卒中の2次予防に使用するプラザキサ)R)を1日2回投薬した場合の有効性および安全性を、アセチルサリチル酸を 1日1回投与した場合と比較して、最長で3年間かけて評価する予定。
塞栓性脳卒中
塞栓性脳卒中は、体内で作られた血栓が血流とともに脳まで運ばれることによることが原因であるが、脳卒中の約4分の1は、特定できない塞栓源に由来する血栓によって発生する。
塞栓源が特定できない塞栓性脳卒中(ESUS)を発症した患者は、脳卒中再発の可能性が高まり 、さらに脳卒中が再発した場合には、合併症の発現率や死亡率の上昇などといった深刻な事態につながることが多く見られる。
だが、現在ESUS発症後に脳卒中の再発を防止する治療選択肢は限定され、さらなる予防策が求められている。
非弁膜性心房細動患者に対する脳卒中予防について、プラザキサ(R)は、多くの臨床経験から有効性が証明されていることにより、今後、ESUSを発症した患者の脳卒中再発リスクを減らす可能性があると考えられている。
プラザキサ
プラザキサ(R)は、新世代の経口抗凝固剤の中で初めて幅広い適応症に承認を受けた薬剤であり、急性および慢性の血栓塞栓症の予防と治療における高いアンメット・メディカル・ニーズに対応可能な直接トロンビン阻害剤(DTI)だ。
直接トロンビン阻害剤は、血栓形成する過程において中心的な役割を果たす酵素であるトロンビンの活性を阻害することで、強力な抗血栓作用をもたらす。
従来の、様々な凝固因子を通して様々な作用を示すビタミンK拮抗薬とは異なり、プラザキサ(R)は有効かつ予測可能で再現性のある抗凝固作用がある。 薬物との相互作用の可能性は低く、食物との相互作用もないため、 定期的な血液凝固モニタリングや用量調節も不要となる。

べーリンガーインゲルハイム ニュースリリース
http://www.boehringer-ingelheim.jp/news/news_releases/