成人の4人に1人がメンタルヘルス診断の経験者
米国研究製薬工業協会が現地時間の5月5日に発表した「メンタルヘルスに関する最新報告書(タイトル:“Medicines in Development for Mental Health”・・・2014 Report)」によると、米国のバイオ医薬品研究企業が、現在119種類にのぼる精神障害などの治療薬を開発中だ。
米国でメンタルヘルス障害に苦しむ患者は、推定6,150万人。米国国立精神衛生研究所(NIMH)調査では、成人の4人に1人がメンタルヘルス診断を受けていると報告されている。
中でも、重症の患者は働くことができず、本人がつらいのはもちろんだが、治療費や補助金による経済的な損失も深刻な問題だ。米国では年間3,170億ドル以上を費やしており、財政を圧迫している。
(画像はニュースリリースより)
最新研究による、幅広い症状の新薬を開発中
そこで、急がれるのが新薬の開発だ。現在、臨床試験中及び米食品医薬品局(FDA)が審査中の薬品は、統合失調症治療薬が36種、うつ病治療薬が29種、物質依存性障害治療薬が20種、注意欠陥・多動性障害治療薬が15種、不安神経症治療薬が15種などで、合計すると119種類となる。
例えば、注意欠陥・多動性障害(ADHD)に広範囲な薬効が期待できる医薬品、治療抵抗性のあるうつ病に即効性の治療効果が望める経鼻投与製剤、今まで以上に副作用の少ない統合失調症治療薬など、最新の研究成果を反映した治療薬が開発されている。
「メンタルヘルスに関する最新報告書」には、これら開発中の新薬情報や、研究開発を進める上での課題、服薬治療を受ける上でのアドヒアランスの重要性、米国が抱えるメンタルヘルス問題の現状などが紹介されており、様々な角度から問題を掘り下げた内容となっている。

米国研究製薬工業協会のニュースリリース
http://www.phrma-jp.org/archives/pdf/140514.pdf