全生存期間を有意に延長
大鵬薬品工業株式会社は、抗悪性腫瘍剤TAS-102(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)に関して、進行・再発の結腸・直腸がん患者を対象とした国際共同臨床第3相試験の速報結果を発表した。全生存期間を有意に延長する結果が得られ、忍容性は概ね良好だという。
経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤
結腸・直腸がんは、がんの中でも世界で3番目に患者数が多い。2014年には米国で、136830人が結腸・直腸がんと診断され、50310人が死亡すると推測されている。欧州だと、診断者数は447,000人、死亡推測者数は215000人にも及ぶ。
TAS-102は、そんな結腸・直腸がん患者のために、開発された。トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合した、経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤であり、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮する。
忍容性も概ね良好
国際共同臨床第3相試験(試験名:RECOURSE)は、無作為割付・二重盲検・プラセボ対照の試験。対象は、標準化学療法に不応となり、治癒切除も不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者。主要評価項目である全生存期間を有意に延長する結果が得られたという。忍容性は概ね良好で、報告された副作用は過去の試験と同様だったとしている。
同試験の詳細の結果は、本年6月25日から28日にスペイン・バルセロナで開催予定の第16回世界消化器癌学会において口演にて公表される予定。

新規抗悪性腫瘍剤TAS-102が国際共同臨床第Ⅲ相試験で全生存期間を有意に延長 - プレスリリース
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