2つのアルツハイマー型認知症の次世代治療薬を開発
2014年5月9日、エーザイ株式会社は、次世代アルツハイマー型認知症治療薬に関して、米国バイオジェン・アイデック社との共同開発・共同販促提携の地域に日本を追加したと発表した。
アルツハイマー型認知症の原因にはいくつかの説があるが、そのひとつとして脳内へのアミロイドβの沈着があげられる。エーザイは、次世代アルツハイマー型認知症治療薬BACE阻害剤「E2609」および抗アミロイドβプロトフィブリル抗体「BAN2401」を開発しており、両剤ともアミロイドβの沈着に作用する。
E2609はアミロイド前駆体タンパク質のβサイト切断酵素BACEの阻害剤で、エーザイによる自社創製の薬剤。症状の改善だけでなく、病態の進行を抑制する効果も期待されており、現在、第II相試験が準備されている。
BAN2401はスウェーデンのバイオアークティック・ニューロサイエンス社との共同研究によるヒト化モノクローナル抗体。神経毒性を有する可溶性アミロイドβ凝集体に選択的に結合して無毒化し、脳内から除去する作用があるとされ、第II相試験の準備が進められている。
欧州、米国、日本での共同開発および共同販促を展開
今回の追加は、2014年3月のバイオジェン・アイデック社との共同開発・共同販促契約におけるオプション権の行使によるもの。これにより、欧米だけでなく日本においても、E2609およびBAN2401についてエーザイ主導で共同開発を進め、承認取得後は共同販促を行うとしている。
エーザイは「当社が持つAD領域におけるナレッジとバイオジェン・アイデックの神経変性疾患領域における強みとのシナジーにより、E2609およびBAN2401の開発成功確率の向上と開発期間の短縮を実現し、日本を含む世界の患者様に有望な治療剤を一日でも早くお届けすることをめざす」としている。

次世代アルツハイマー型認知症治療剤についてバイオジェン・アイデック社との共同開発・共同販促提携地域に日本を追加(エーザイ株式会社)
http://www.eisai.co.jp/news/news201422pdf.pdf