Ipilimumabを併用投与した際の評価を行うため
タカラバイオ株式会社は、米国でがん治療薬HF10の第2相臨床試験を実施するため、米国食品医薬品局(FDA)に臨床試験実施申請資料(IND)を、米国時間の4月30日に提出した。
今回の試験では、Ipilimumab(商品名:YERVOY)を併用投与した際の有効性・安全性・免疫学的検査などの評価を行う。
顕著な抗腫瘍作用を示す、HF10
HF10は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の、弱毒化株。がん局所へ注入することにより、顕著な抗腫瘍作用を示す。
がん細胞内において特異的に増殖するこのようなウイルスは、腫瘍溶解性ウイルス(oncolytic virus)と呼ばれ、増殖によるがん細胞の破壊や縮小が期待されている。同社は2010年、株式会社エムズサイエンスからHF10事業を取得した。
HF10の第1相臨床試験は、同剤を投与した際の安全性・体内動態・腫瘍縮小効果等の評価を目的として実施され、良好な安全性が確認された。また、一部の症例では、腫瘍増大の抑制、腫瘍免疫効果を示唆する血中成分の変動も、観察された。
治癒切除不能・転移性悪性黒色腫を対象に
第2相臨床試験となる今回の試験では、治癒切除不能または転移性悪性黒色腫を対象とし、HF10とIpilimumabを併用投与した際の有効性・安全性・免疫学的検査などの評価を行う予定。また、本試験では、同社施設で製造したHF10製剤を投与する計画となっている。
今後、試験実施施設の治験審査委員会等による審査を経て、被験者登録を開始する。

がん治療薬HF10の第Ⅱ相臨床試験実施申請資料を米国食品医薬品局へ提出 - プレスリリース
http://www.takara-bio.co.jp/news/2014/05/01.htm