オンコロジー、循環器・代謝疾患領域で
2014年11月17日、アストラゼネカはアンチセンス・オリゴヌクレオチド新規デリバリー法の探索・開発に関する戦略的提携を、Isis Pharmaceuticals社と11月13日に結んだことを明らかにした。
短鎖で一本鎖DNAまたはRNAであるアンチセンス・オリゴヌクレオチドは、タンパクが産出される前に細胞中のメッセンジャーRNAのレベルで作用するため、これを応用した治療法の開発が期待されている。
今回の提携は目的の組織をより効果的に標的とできる新規デリバリーアプローチの探索・開発が狙いだ。
今回の提携による最初のプロジェクトの対象疾患はオンコロジーならびに循環器・代謝疾患領域。両社はそれぞれ同提携に基づくプログラムの研究者を任命し、資金を負担する。その成果に対する権利は共有され、アストラゼネカは同社のRNA関連、低分子化合物、および抗体に関する研究開発活動に応用できるとしている。
2012年に結んだ既存の提携を発展
同社とIsis Pharmaceuticals社は、2012年にオンコロジー関連の提携、開発、ライセンス契約を締結済みだ。2013年には循環器・代謝疾患も契約に追加された。
この契約に基づき開発されたのが、ヒトにおけるファーストインクラスのSTAT3アンチセンス・オリゴヌクレオチド阻害剤AZD9150(ISIS-STAT3Rx)である。また、アンドロゲン受容体を標的とするアンチセンス・オンコロジー化合物AZD5312(ISIS-ARRx)も現在第1相試験の段階にある。
今回の提携はこの既存の関係を発展させたものとなり、これらのプログラムにも貢献するとみられている。

アストラゼネカとIsis Pharmaceuticals 社、標的オリゴヌクレオチドデリバリー法を共同開発
http://www.astrazeneca.co.jp/media/pressrelease/