2010年9月に独占的開発・販売権を取得
キッセイ薬品工業株式会社は、高リン血症治療薬「PA21(開発番号)」の製造販売承認申請を行ったと発表した。
同社は、2010年9月に日本における同剤の独占的開発・販売権を取得。以来、開発を進めてきた。
慢性透析患者の死亡リスクを上昇させる高リン血症
慢性透析患者は腎臓の機能が低下するため、食事によって吸収された余分なリンが腎臓から排泄されず、血清リン濃度が上昇して高リン血症に至る。高リン血症は、血管石灰化の促進因子の一つであり、死亡リスクを上昇させる。
現在、慢性透析患者の高リン血症に対しては、食事療法によるリン摂取量の管理や透析での除去に加え、消化管からのリン吸収を抑制するために様々なリン吸着薬が用いられているのが現状だ。
水分制限が必要な患者に新たな治療選択肢を
「PA21」は、リンを吸着するために鉄を用いた高リン血症治療薬。消化管内でリン酸と結合して体内へのリンの吸収を抑制することで、血清リン濃度を低下させる作用を持つ。同剤は、水なしでも服用できるという大きな利点を持つ。そのため、水分制限が必要な透析患者に対して新たな治療選択肢を提供できるものと期待されている。
同社は2010年9月、日本における同剤の独占的開発・販売権を取得。同剤の承認を取得して発売することにより、透析医療に一層貢献するとしている。

高リン血症治療薬「PA21(開発番号)」製造販売承認申請のお知らせ - キッセイ薬品工業株式会社
http://www.kissei.co.jp/l2/l3/Vcms3_00000831.html