子会社を通じた臨床用iPS細胞作成用ベクターの販売
アイロムホールディングスは東京証券取引所第一部に上場するだが、同社の100%子会社であるディナベック株式会社を通じて、臨床用iPS細胞作製用ベクターの販売を目指して製造を開始したことを2014年11月12日に発表した。この製造にはディナベック社が所有しているセンダイウイルスベクターが用いられる。
今回の発表の背景及び概要とは
iPS細胞は様々な分化細胞に誘導されることで基礎研究ならびに創薬に利用される。その過程で得られる臨床用の分化細胞は、再生医療にも応用され、iPS細胞を利用した医学界と産業界の取り組みは新たな段階へと来ている。こうした状況の中、臨床用のiPS細胞を作製するための技術と設備に対するニーズが高まってきたことから、同社では今回の製造開始を決定した。
同社の臨床用iPS細胞作製用ベクターは、独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構が主催する平成25年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業における助成事業より支援を受けたもの。この支援により、同社はGMP製造用のシード作製及び評価を実施した。
そして、GMPの製造に関しては、同社が今までに得てきた遺伝子ワクチン用治療薬やセンダイウイルスベクターを用いた遺伝子治療の技術などをもとに、ウイルスベクターの製造について米国食品医薬品局から治験薬製造の承認を得た機関で製造するための契約も締結し、製造に向けた準備を進めているところだ。

アイロムホールディングス プレスリリース
http://www.irom-hd.co.jp/up_pdf/