塩野義製薬のS-649266 好成績を発表
塩野義製薬株式会社が、米国で開催中の「米国感染症学会週間 Infectious DiseaseWeek 2014」で非臨床試験の成績を発表した。
今回は、塩野義製薬が創製した新規注射用のシデロフォアセファロスポリン系抗菌薬「S-649266」について発表。塩野義製薬は、多剤性耐性菌を含んでいるグラム陰性菌の非臨床試験を行っていた。
S-649266へ関心が高まる
今回の学会で、S-649266について、カルバペネマーゼ産生肺炎桿菌に対して抗菌作用を示す結果が発表された。この結果を受けて、今後、臨床に携わる研究者の中でも高い関心が集まると予想できる。
S-649266は、感染患者の体内にある鉄と結合する。鉄と結合したS-649266が、積極的に働き、薬剤を目的部位まで届けてくれる。現在、グラム陰性菌には、既存の抗菌薬の効果がない。しかし、S-649266の研究が進むことで、多剤耐性菌に対する新しい抗菌剤として期待が集まる。
今回の試験結果では、既存のセファロスポリン系やカルバペネム系薬剤よりも強い抗菌活性を確認。また、安定性にも優れた結果を示した。ラットにおける実験でも、強力な抗菌活性を発揮。
50年以上の研究開発
塩野義製薬は、50年以上にわたり、細菌感染症やウイルス感染症の治療の研究開発を行う。塩野義製薬が創薬したエイズウイルス感染症治療薬のテビケイは、米国食品医薬品と欧州委員会での承認をとり、各国で発売。テビケイは、日本でも承認がおり、2014年4月よりエイズウイルス治療に使用されている。

塩野義製薬株式会社 プレスリリース
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