NCPIE アドヒアランス・アクション・アジェンダを発表
加齢に伴う慢性疾患患者の増加とともに服薬遵守率が劇的に下がるだろうという研究をうけて、全米患者情報教育協議会(以下 NCPIE)が、65歳以上の複数の慢性疾患をもつ高齢者を中心に、薬剤の遵守問題を解決するため、「アドヒアランス・アクション・アジェンダ」(遵守行動指針)を15日、発表しました。
NCPIEによると、薬剤服用を遵守していない場合、本来なら防ぎえた疾患の進行や合併症につながる恐れがあり、救急外来受診の増加や入院、再入院など、家庭や国の財政を圧迫する可能性があります。2010年時点で、複数の慢性疾患をもつ患者は国の医療費の66%を消費し、メディケアの支出の主な原因となっています。2010年のメディケア支出のうち、6つかそれ以上の慢性疾患を抱える受給者はメディケアの受益者の14%を占め、1人あたり3万2千658ドルまたは全国平均の3倍の医療費を使っていると発表されました。
アドヒアランス・アクション・アジェンダとは?
適切な薬剤の服用を促進するため、アドヒアランス・アクション・アジェンダは今まで見落とされてきた複数の慢性疾患をもつ患者の課題を重視しています。以下がNCPIEが提唱する10のアクションです。
1.複数の慢性疾患をもつ患者の負担を減らすため、患者の服薬遵守を国と州の優先的な目標とする。
2.複数の慢性疾患をもつ患者が健康管理システムを利用し、処方薬を処方通りに服用できるように、介護チーム内にペイシェント・ナビゲーターを設ける。
3.複数の慢性疾患をもつ患者の特定的ニーズや状況に合わせた臨床管理方法を推奨する。
4.医療制度が遵守教育や投薬支援を複数の慢性疾患をもつ患者への日常治療の一環とするよう、動機付けをする。
5.複数の慢性疾患をもつ患者が次回以降処方薬を受け取る際、手順を簡略化する。
6.一般的な慢性疾患の治療に使用される処方薬の費用負担を下げるまたはなくす。
7.服薬遵守を促進するような情報技術の採用を進める。
8.服薬遵守を医療従事者の教育プログラムの認証評価の1つの指標として取り入れる。
9.治療ガイドラインで慢性症状と最適な薬物療法管理方法を扱う。
10.安全で適切な薬剤の使用を促進させるため、服薬遵守を含む複数の慢性疾患をもつ患者の治療を扱う研究を活性化させる。
(NCPIE発表文より抄訳)
NCPIEはこのアジェンダを完成させるため、22の職能団体、ボランティア保健機関、政府機関や業界トップの協力を得ています。

Poor Medicine Adherence in Americans with Multiple Chronic Conditions - Anticipating & Addressing a Looming Threat
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