米国でPALOMA-1試験の最終データを学会発表
2014年4月6日、米国ファイザー社はサンディエゴで開催された2014年度米国癌学会年次大会にて、Palbociclibとレトロゾールを併用投与した無作為化第II相試験(PALOMA-1試験)の結果を発表した。
Palbociclibは同社が開発中の経口分子標的薬で、細胞周期を調節するとともに腫瘍細胞の増殖を抑制するCDK4/6阻害剤だ。
発表によれば、進行乳がんの閉経後女性患者を対象としたPalbociclibとレトロゾールの併用投与、レトロゾール単剤での投与を比較したところ、併用投与群において無増悪生存期間(PFS)が有意に延長した。PFSの中央値は併用投与群が20.2ヵ月、レトロゾール単剤投与群が10.2ヵ月であった。
同社はPalbociclibについて2つの第III相試験「PALOMA-2試験」・「PALOMA-3試験」、さらに医師主導型の第III相試験「PEARL試験」、「PENELOPE-B試験」も開始している。日本は「PALOMA-2試験」、「PALOMA-3試験」に参加している。
(画像は米国ファイザー社ホームページより)
乳がん細胞株の増殖を抑制する可能性
CDK4/6(サイクリン依存性キナーゼ4および6)は細胞周期の調節に主要な役割を持つが、エストロゲン受容体陽性(ER+)の乳がんにおいて高頻度に活性化され、ERシグナルの下流に位置するため主要な標的となっている。
CDK4/6とERシグナルの両方を阻害することで、Palbociclibには進行乳がん細胞株の増殖に対する抑制効果が示唆されている。

ファイザー社の新規CDK4/6阻害剤Palbociclibとレトロゾールの併用により、進行乳がん患者の無増悪生存期間が有意に延長
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/l