薬剤耐性結核、DR-TB
国境なき医師団(MSF)は、「薬剤耐性結核(Drug Resistant Tuberculosis、以下DR-TB)」について、各国政府や製薬会社などに優先課題とするよう求める署名運動を、展開している。
DR-TBとは、通常の治療薬の効かない結核。MSFは、DR-TBのよりよい治療の実現に向けた要望を「結核マニフェスト」として掲げている。
(画像はプレスリリースより)
治療が長期にわたるDR-TB
結核治療を受けていた人が、完治する前に治療を止めたり、適切な治療を受けられなかったりする場合に発症するのが、DR-TBだ。
発症した場合は治療もDR-TB向けに切り替える必要があるが、検査精度が低い地域などでは診断が遅れ、通常の結核治療を受け続けてしまうケースがある。通常の結核治療を受け続けた場合、薬剤耐性がさらに強化される場合もある。
現状としてDR-TBは、治療が長期にわたる。吐き気や体の痛み、聴覚障害や精神疾患など様々な副作用に苦しめられ、また治療費は薬だけでも患者1人あたり約4500米ドルかかることもあるという。
日本でも署名サイト開設
MSFはこうした現状の打開に向け、「診断・治療の普及」「治療法の向上」「治療の普及を促す資金援助の拡大と、治療法向上のための研究・開発支援」といった要望を「結核マニフェスト」として提示。各国政府や製薬会社などに優先課題とするよう求める署名運動を、オンライン署名サイトで展開している。
日本でも、3月24日の世界結核デーを前に署名サイトが開設された。寄せられた署名は、5月にスイス・ジュネーブで開かれる世界保健機関(WHO)総会で提出する予定。

結核マニフェスト・ホームページ
http://www.msfaccess.org/TBmanifesto/薬剤耐性結核:よりよい治療実現に向けた「結核マニフェスト」への賛同を呼びかけ - プレスリリース
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/