記憶力の回復、ネズミを使った実験で成功
フロリダ大学の研究チームが、
Neuroscience誌上の論文で、薬剤療法により、記憶力の低下が回復する可能性があると発表した。
新薬は人間に使用する段階ではないが、研究チームは(アルツハイマー病や他の認知症を患ってはいない)記憶力の低下に苦しむ高齢者を助ける可能性のある成分を追求している。
GABA受容体を阻害し、記憶力を回復
作業記憶が適切に機能するためには、脳内の化学物質が正しいバランスをとっていなければならない。しかし、ネズミを使った研究で、高いγアミノ酸(GABA)値が作業記憶を破壊する働きがある可能性があることが発見された。GABAは脳の抑制性神経伝達物質。
脳内のGABAが通常レベルの場合、細胞の活性化を管理する助けをするが、高いレベルに達した場合、脳細胞が過剰に活性化する。研究チームはこれが統合失調症やてんかんなどを患う患者に見られる脳活動の原因となると述べている。
ネズミを使った研究では、記憶に支障のない高齢のネズミは少ないGABA受容体を生産した。しかし、記憶力に問題のある高齢のネズミは多くのGABA受容体を生産し、高いGABA値を持っていた。
研究者らは、GABA受容体を阻害する薬剤を使用した。すると、作業記憶が若いネズミと同じレベルまで回復したという。

New drug could reverse age-related cognitive decline
http://www.medicalnewstoday.com/articles/273636.phpPrefrontal Cortical GABAergic Dysfunction Contributes to Age-Related Working Memory Impairment
http://www.jneurosci.org/content/34/10/3457.shortUniversity of Florida
http://www.ufl.edu/