幹細胞をターゲットにして
プリンセス・マーガレット病院がん研究センターのジョン・ディック(John Dick)博士率いるがん研究グループが、前白血病幹細胞を発見したことを発表した。この幹細胞をターゲットにすることで、白血病の早期診断や効果的な薬剤開発が期待されるという。
(画像はプレスリリースより)
がんのオーダーメイド医療の進展に
前白血病幹細胞は、がん発生の第一段階で急性骨髄性白血病(以下AML)の再発を引き起こす原因のひとつと考えられている。ディック博士によると、この幹細胞の発見は、正常な細胞がAMLに変化するまでの過程を理解する上で飛躍的な一歩となるという。
また、この幹細胞を診断に生かせれば、治療の効果が得られる患者を個別に特定できる可能性がある。そのため、がんのオーダーメイド医療の進展、加えて白血病の早期診断や効果的な薬剤開発に繋がると期待されている。
がん幹細胞分野の先鞭を付けた博士
プリンセス・マーガレット病院がん研究センターは、カナダ・トロントにあって、がん撲滅およびがんのオーダーメイド医療で高い評価を受け、世界の5大がん研究センターに数えられている施設。
ディック博士は、トロント大学分子遺伝学部の教授。20年以上にわたる研究の中で1994年に白血病の幹細胞、2007年に結腸がんの幹細胞をいち早く発見し、がん幹細胞分野の先鞭を付けている。

プリンセス・マーガレット病院がん研究センター - 公式(英語)
http://www.theprincessmargaret.ca/en/Pages/急性骨髄性白血病の再発因子、前白血病幹細胞を発見 - プレスリリース
http://www.atpress.ne.jp/view/43697