医療スーパー特区に指定された施設で
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センターは、多発性硬化症(以下 MS)の新規治療薬(免疫修飾薬OCH:糖脂質アルファ・ガラクトシルセラミド類似体)を開発し、同センター病院において患者を対象とした医師主導治験を開始する。同センターは、先端医療開発特区(医療スーパー特区)に指定された施設のひとつ。
(画像は、公式サイトからのキャプチャーです)
次のステップとして患者を対象に
MSは主に20~30歳代で発病し、視力障害・運動麻痺・感覚障害などの症状が再発と回復を繰り返す慢性疾患。遺伝子解析の結果などから、MSは関節リウマチや1型糖尿病と同様、自己に反応するリンパ球が関係する自己免疫疾患であると考えられ、異常な免疫反応を制御する薬剤の開発が求められていた。
MS治療薬の開発は、医療スーパー特区に指定された同センターの大型研究開発プロジェクトとして進められてきた。この度、健常成人を対象とした本治療薬の医師主導治験を終えたため、次のステップとして患者を対象とした医師主導治験を実施することとなった。
3つのグループに反復投与
新薬OCHは免疫調整細胞であるナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)による炎症抑制物質の産生を促すことが確認されている。また動物モデルにおいて、同治療薬の経口投与により脳内炎症が抑制されることも確認されている。
医師主導治験は、3月上旬より開始される。同治療薬を、約3ヶ月にわたって3つのグループ(1グループ3名のMS患者)に反復投与するという。

医療スーパー特区で多発性硬化症の新薬を創成 3月から医師主導治験を開始 - 独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター
http://www.ncnp.go.jp/press/