独立評価委員会が試験の中止を推奨
2014年3月3日、ロシュ社は特定の条件下にある肺がん患者に対する、onartuzumabを用いた第Ⅲ相臨床試験の最新情報を発表した。それによると、独立評価委員会から臨床的に有用な効果が認められないため、当試験の中止を推奨されたという。
onartuzumab(MetMab)はMET受容体を標的とする一価性モノクローナル抗体として創製されており、さまざまながん腫において研究が進められている。当試験は治療歴を有する進行性非小細胞肺がんでMET発現が認められた患者を対象に、onartuzumabとTarcevaを併用投与した場合の延命効果を評価することを目的としている。効果の比較対象はTarceva(erlotinib)を単独投与した場合だ。
これまでの結果によれば、全観察期間における有害事象はどちらの患者群でも概ね同じであった。
(画像はロシュ社ホームページより)
全肺がんのうち85%を占める非小細胞肺がん
主に肺扁平上皮がん、肺腺がん、肺大細胞がんからなる非小細胞肺がんは全肺がんのうち85%をも占めているとされる。ほとんどの患者にとって、現在の治療法で治癒を望むことは困難であり、効果的な治療法の確立が期待されている。
同社の最高医学責任者兼グローバル開発責任者のSandra Horning博士は独立評価委員会からの推奨について、今回の結果は残念だが、引き続き本疾患に対する複数の治験薬について研究を続けていくとしている。

Roche provides update on phase III study of onartuzumab in people with specific type of lung cancer
http://www.roche.com/media/