今回の治験計画の概要
タカラバイオは三重大学医学部のグループと共同で、固形がんを対象とした医師主導試験である、第I臨床試験に関する治験計画届を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出しました。PMDAは約30日間の調査を経て、治験が認められる予定です。
今回の治験の最終的な目的はTCR遺伝子治療技術を用いたがん治療薬の商業化を目指しています。TCR遺伝子治療法とは、がん患者から採取したリンパ球に対して遺伝子改変を加え、それをがん患者の体内に戻すことによって、そのリンパ球ががん細胞を得意的に認識・攻撃することを目指すという新しいタイプのがん治療法です。
今回の治験の特徴
この治療法においては、遺伝子導入を行うにあたって、タカラバイオが開発したレトロネクチン法、三重大学と共同開発したTCR遺伝子導入用の、レトロウイルスベクターを使用します。今回の治験が始まると、先端医療の一つである、免疫遺伝子治療における国内初の治験となります。今回の治験においては、タカラバイオは治験薬として、抗原特異的TCR遺伝子導入Tリンパ球であるTBI-1201を調整し提供する計画です。
治験はおおよそ2年間行われ、予定症例数は12例を予定し、再発難治性の固形がん患者の中でも腫瘍細胞にMAGE-A4などを発現している患者が対象となります。TBI-1201の安全性の他、腫瘍の縮小効果もまた副次評価項目として含まれています。

タカラバイオ プレスリリース
http://www.takara-bio.co.jp/