紫外線を当てるだけで検出できる蛍光基質
2014年1月10日、静岡県立大学の鈴木 隆教授、南 彰助教らによる、大腸がんを高感度で可視化検出できる蛍光試薬(蛍光基質)の研究・開発成果が米科学誌「PLoS ONE」に掲載された。
開発された蛍光試薬は、大腸がんなどで発生する「シアリダーゼ」と呼ばれる酵素の発現の異常な亢進を活用したもの。大腸がんにかかったマウスやヒト大腸がん摘出組織にこの試薬を使用し、紫外線を当てるだけでシアリダーゼ活性を簡単に検出することに成功した。
この成果を応用すれば、転移したがんの検出などに利用できる可能性がある。
(画像は米科学誌「PLoS ONE」より)
シアリダーゼ活性の検出というハードル
シアリダーゼは糖鎖からシアル酸を遊離するが、哺乳類の組織中のシアリダーゼ活性は細菌やウイルスに比べると弱く、その検出は困難とされている。
今回の研究にあたり、報告者たちはシアル酸誘導体(BTP-Neu5Acを)を合成。これを利用することで、シアリダーゼ活性を高感度で可視化することに成功した。

大腸がんを簡便に可視化検出できる蛍光試薬を開発
http://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/news_topics/Visualization of Sialidase Activity in Mammalian Tissues and Cancer Detection with a Novel Fluorescent Sialidase Substrate
http://www.plosone.org/article/