慢性神経疼痛に効果的な新薬を発明
新しい薬剤治療が帯状疱疹患者の神経障害による慢性痛に効果があることが発見された。
この薬剤は他の既存療法が標的としていないメカニズムを標的とし、既存療法に比べて副作用も少ないため、研究者らは薬剤が糖尿病、HIV、神経損傷やがん化学療法による慢性神経因性疼痛にも効果があることを期待している。
既存の薬剤は神経因性疼痛の治療には限られた効果しかなく、深刻な副作用をもたらす。
帯状疱疹による神経疼痛、10人に1人
推定によると、イギリスでは毎年19万人の人々が帯状疱疹を発症し、そのほとんどが50歳以上。帯状疱疹は休眠状態のウイルス感染が再活発化することが原因で、痛みを伴う発疹が発現する。ほとんどのケースで帯状疱疹は数週間にわたって発現するが、いくつかのケースでウイルスによる永久的な神経損傷が帯状疱疹後神経痛と呼ばれる慢性神経因性疼痛を発症する。帯状疱疹患者の10人に1人が帯状疱疹後神経痛を発症し、発症後は生涯にわたって苦痛を経験する。
「従来型の鎮痛剤は深刻な慢性神経因性疼痛をもつ患者の治療には向いていません。さらに既存の治療法もささいな効果しか与えることができず、副作用も伴うのです。だから我々は患者に意味を軽減する新しい方法を見つけることを切望していました」(インペリアル・カレッジ・ロンドン外科・癌生物学科 アンドリュー・ライス――プレスリリースより)
183名の患者が参加した研究では、EMA401と呼ばれる新薬が帯状疱疹後神経痛患者の痛みを軽減し、深刻な副作用もなかったことがわかった。

New drug treatment reduces chronic pain following shingles
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-02/Imperial College London
http://www3.imperial.ac.uk/media