再発・難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫および再発・難治性のCD30陽性未分化大細胞リンパ腫の患者に朗報
武田薬品工業株式会社は、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス(R)点滴静注用50mg」(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン、以下「アドセトリス」)が、再発・難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫および再発・難治性のCD30陽性未分化大細胞リンパ腫を適応症とした製造販売承認を取得したと発表した。
アドセトリス
アドセトリスは、CD30抗原をターゲットとする抗体と細胞分裂に重要な役割を持つタンパク質である微小管を阻害する作用を持つ低分子薬剤(モノメチルアウリスタチンE:MMAE)を、シアトルジェネティクス社の特許技術を用いてリンカーで結合させた抗体薬物複合体である。
MMAEは、その微小管を阻害することで細胞分裂を停止させ、癌細胞の増殖を抑制する効果を持っている。この複合体は血中では安定しており、CD30抗原が現れている腫瘍細胞を選んで作用し、腫瘍細胞内に取り込まれた後、タンパク質分解酵素がリンカーを切断することで、MMAEを放出するよう設計されている。
承認取得の背景
アドセトリスはCD30陽性のホジキンリンパ腫および未分化大細胞リンパ腫の適応症に対して、2012年3月に厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受け、優先審査の対象とされていた。今回の承認取得は、国内の臨床第1/2相試験および海外の臨床第2相試験での結果が良好であったことに基づく物である。
アドセトリスは、標準治療法が未だに存在しない再発・難治性のホジキンリンパ腫および再発・難治性の未分化大細胞リンパ腫の患者に対し、新たな治療オプションになると期待されている。

悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス(R)点滴静注用50mg」の製造販売承認取得について(ニュースリリース)
http://www.takeda.co.jp/news/2014/20140117_6152.html武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/