ジオトリフ(R)が非小細胞肺がんに新しい治療選択肢を
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は、日本において、経口の抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「ジオトリフ(R)錠」(一般名:アファチニブマレイン酸塩)が、「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺がん」の適応における製造販売承認を取得したことを発表した。
ジオトリフ(R)の日本における今回の承認は米国、台湾、メキシコ、欧州などに続くものであり、国際共同第3相臨床試験(LUX-Lung 3試験)を含む国内外の臨床試験データに基づいたものである。
ジオトリフ(R)
ジオトリフ(R)は不可逆的ErbBファミリー阻害剤として、世界で最初に承認され、上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼに共有結合することによって、不可逆的な阻害作用をもたらす。
さらに、EGFR(ErbB1)に対してだけではなく、ErbBファミリーに属しているヒト上皮成長因子受容体2(HER2(ErbB2))ならびにヒト上皮成長因子受容体4(ErbB4 (HER4))のチロシンキナーゼに対しても、それらのリン酸化を選択し、かつ持続的に阻害すること効果があることが確認されている。
ジオトリフ(R)は、米国では2013年7月、欧州では2013年9月にそれぞれ承認されている。安全性に関しては、国際共同第3相臨床試験において、安全性評価対象229例(日本人54例を含む)のうち、228例(99.6%)に副作用が認められた。
承認時における主な副作用は、下痢218例(95.2%)、発疹141例(61.6%)、爪囲炎130例(56.8%)等だった。また、重大な副作用として、間質性肺疾患(3.1%)、重度の下痢(27.3%)、重度の皮膚障害(22.7%)、肝不全(頻度不明)、肝機能障害(6.3%)、心障害(0.8%)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、消化管潰瘍、消化管出血(頻度不明)の報告があがっている。
肺がんの現状
肺がんは世界でもっとも死亡者数の多いがんあり、日本でも、年間約10万人が新たに肺がんと診断され、年間約7万人が肺がんで死亡している状況にある。そして、肺がん症例の約90%を占めているのが非小細胞肺がんである。ジオトリフ(R)は、これまで手術ができないとされていた非小細胞肺がんや再発した非小細胞肺がんの治療に、新たな選択肢となるであろう。

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社ニュースリリース
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